車椅子を選ぶには、まず「自走用」か「介助用」かを選びます。
車輪が大きくなるほど、悪路でも安定性があり、段差が越えやすく、操作するとき少ない力で動かせます。車輪が小さくなるほど、コンパクトなので自動車などへの積込みが容易、狭い室内で小回りがききます。
自走用は、基本的に22インチが一番おすすめ。
身長が低く前座高(座面の高さ)が低い車椅子がよい場合は20インチ、
身長が高く前座高(座面の高さ)が高い車椅子がよい場合は24インチ
介助用は、基本的に16インチが一番おすすめ。
より、軽量タイプや、コンパクトタイプは、12~14インチの車種が比較的多いです。
※足でこいで動かす場合などは、低床・足こぎ車椅子をお選び下さい。
車椅子はアルミ製が一般的です。ですが、アルミフレームといっても沢山の種類があります。安価だが、低密度のアルミフレームから~高価だが、高密度のアルミフレームまであります。安全の為には、軽量な車椅子ほど、高密度(高品質)の肉うすアルミフレームである必要があります。また、一部の海外メーカーに見られる、安さを強調した、細いフレームは安全性が疑われます。
安価で、丈夫ですが、重く、錆びやすいので、病院や施設内での使用に適しています。
とても軽量で、高強度のフレーム素材で乗車した際、フレームがひしゃげないので、スムーズに操作出来ます。しかし、フレームが硬(かた)すぎる為、強い衝撃が加わると、フレームが割れてしまうことがあります。また、成型が難しく修理が困難で、価格も高い為、近年では一般には使われなくなりました。
丈夫で、錆びにくいので、主に入浴・シャワー用に使われています。
スチール製車椅子は背折れが出来ません。 アルミ製は一部の安価な車椅子を除き、ほとんどの車椅子が背折れ可能です。背折れ機能が付いていない(背固定)車椅子の方が、より壊れにくく、丈夫ですが、タクシーなどの車のトランクへの積載は、背折れが出来ないと積載出来ません。
病院、施設内での利用には、より壊れにくい背固定タイプが多く利用されますが、個人での利用には背折れ可能タイプをおすすめ致します。
車椅子に乗り降りする際に、車椅子が動かないようにするブレーキです。車椅子の全車種に付いています。駐車ブレーキのかけ忘れは大変危険です。
駐車ブレーキのかけ忘れによる転倒を防ぐために、自動的に駐車ブレーキがかかる、「自動駐車ブレーキシステム」の車椅子もあります。
自走用は、自走のみの利用の場合「介助ブレーキ」は必要ありません。
「介助ブレーキ」がない方が、1㎏程軽量になります。
(※介助者が動かすことがある場合は、自走用であっても介助用をご参考下さい)
介助用は、室内のみの利用の場合は、「介助ブレーキ」は任意です。介助ブレーキがない方が、1~2cm程全幅がコンパクトになります。
屋外での利用の場合「介助ブレーキ」は必ず必要です。
座幅が広すぎると、
自走の場合、脇が広がるため操作しづらい。
介助の場合、姿勢が崩れやすくなる。
座幅の採寸方法は、
【お尻の幅(一番広い所)】+【3~5cm】くらいです。(標準は40cm)
体重での目安は(※あくまでも目安です。正しくは採寸してください。)
~45kg
45kg~70kg
70kg~90kg
90kg~
・・・・座幅 38cm
・・・・座幅 40cm
・・・・座幅 42cm
・・・・ビッグサイズ車椅子
前座高とは床から座面の前端までの高さをいいます。
前座高が高すぎると座面の奥まで座ることができません。
前座高が低すぎると立ち上がりが困難になります。
前座高の採寸方法は、
【膝裏から足裏までの長さ】+【5cm(足でこぐ場合は0cm)】-【クッションの厚さ】くらいです。
(※靴を履いて利用される場合は、靴を履いて採寸してください。)
膝裏から足裏までの長さ
車椅子を購入する際は、必ずメジャーメーカーのものから選びましょう。
車椅子を選ぶのに大事な選定項目のひとつは、「安全」を選ぶことです。
現在、日本の車椅子は4大メーカー(ミキ・カワムラサイクル・日進医療器・松永製作所)と、特徴のある車椅子を作っているアルバジャパン・いうらなどがあります。
こうした日本のトップメーカーの車椅子は、JIS規格に基づく厳しい安全性・耐久性の試験を行っております。(JIS規格にない形式の車椅子についても、同様に厳しい社内基準を設け、安全性試験を行っております。)
海外メーカー(並行輸入)の車椅子で、驚くほど安い車椅子が多数見受けられますが、プロの目から見ると、「こんなところにこんな細いネジを使って大丈夫なの?」とか、「溶接部分の熱処理はしっかり行っているの?」という疑問点が多数見受けられます。
一般ユーザには分からない、品質管理や、安全性を確保するコストを削減していることもございます。
車椅子は命を乗せるものです。
安価な車椅子だから購入するのではなく、徹底した安全管理が行われているメーカーの車椅子からご購入されることをおすすめ致します。
また車椅子ナビでは、安全性の保障されている車椅子以外はご案内致しません。
軽い車椅子というのは、車椅子本体の重量を軽くするよりも、タイヤの空気圧を高く保って車輪の転がる抵抗数を小さくする方が、軽く操作することが出来ます。
車椅子を軽くこぐ(押す)には、まず、十分にタイヤに空気を入れる事が必要です。
また、そういった手間のかからない、ノーパンクタイヤをおすすめします。
クッション性があり乗り心地は最良です。
標準の車椅子にはこのタイヤが使われています。
ただし、1ヶ月に1度は空気を入れる必要があり、空気が抜けていると、走行性が低下したり、駐車ブレーキをかけても効かないなどの危険な状態が起こり得ます。
たまにしか使わない方や、手入れが面倒な方には、ノーパンクタイヤへのご変更をお勧め致します。
ゴム製のノーパンクタイヤです。
エアタイヤと比べ、クッション性がおとります。
重量も、約1.5㎏程重くなります。
病院、施設内でのご利用に適しています。
主に、ミキ製の車椅子に取付可能。
発砲ウレタン製で、エアタイヤに比べ乗り心地は多少おとりますが、一般的なノーパンクタイヤになります。
重量は、エアータイヤと比べて約0.6㎏程重くなります。
標準装備の車椅子もあり、また、オプションで取付できます。
日進医療器製の車椅子に取付可能。
チューブに特殊ゲルを注入し、固まらせるノーパンクタイヤです。適度な弾力があり、エアータイヤのような乗り心地です。
重量は、エアータイヤと比べて約1.0㎏程重くなります。
カワムラサイクル製の車椅子に取付可能。
重量は、エアータイヤと比べて約0.6㎏程重くなります。ハイポリマータイヤで使う発泡性ウレタンを、エアータイヤのゴムで覆う2重構造のノーパンクタイヤです。
エアータイヤのような乗り心地です。
松永製の車椅子に取付可能。
重量は、エアータイヤと比べて約0.6㎏程重くなります。
ハイポリマータイヤで使う発泡性ウレタンを、エアータイヤのゴムで覆う2重構造のノーパンクタイヤです。
エアータイヤのような乗り心地です。
一般の車椅子は必ず車椅子専用クッションと併せてご利用下さい。
肘掛け「上下式」は身体に合わせることで、座位の安定に役立ちます。
肘掛け「跳ね上げ式」は、ベッドなどへの移乗の際に、肘掛けを跳ね上げることで、横方向への移乗がしやすいです。また、介助者の負担軽減にもなります。
肘掛けの長さは、車椅子によって違います。
軽量タイプの車椅子は、肘掛け部分が短いものが多いです。
購入時にあまり気にされない部分ですが、意外と重要で、肘掛けが短いと車椅子から立ち上がる際に、肘掛けの前方部に手を付いて立ち上がれないので、どちらかというと、立ち上がりに問題ない軽度の方向きになります。
立ち上がりの際に手を付かなければ立ち上がりづらい方は、肘掛けが長い(短くない)タイプの車椅子をお勧め致します。
また、肘掛け可動機能は、必要かどうかを考慮して検討してください。
必要ない場合は固定式の方が軽くなります。
肘掛けが短いタイプ
肘掛けが長い(短くない)タイプ
脚部「スイングアウト式」は、ベッドにより近づくことが出来、また、肘掛け跳ね上げ機能を併せて使うことで、ベッドへの移乗が楽に行える便利な機能です。
脚部「エレベーティング式」は、骨折や、ひざ関節の可動域に制限がある方に合わせた角度調整が可能です。
足の後ろを落とさないためのレッグサポートは、従来は一本タイプのものが一般的でしたが、近年は、どのメーカーからも、左右独立したセパレートタイプのものが多く採用されています。セパレートタイプの方が、立ち上がりの際に、レッグサポートにふくらはぎが当たらないので、より足を車椅子側にひくことが出来、立ち上がりがしやすくなります。
一本タイプ
セパレートタイプ
セパレートタイプで、立ち上がったところ。(レッグサポートにふくらはぎが当たらないので、より足を引くことが出来、立ち上がりがしやすくなります。)
種類別:標準的な重量の目安
標準型 | 標準型の低床タイプ | 肘掛け/脚部可動タイプ | リクライニング | |
---|---|---|---|---|
自走用 | 15kg | 14.5kg | 16.5kg | 25kg |
介助用 | 13kg | 12.5kg | 14.5kg | 23kg |
タイプ別:人気の超軽量-車椅子
標準型 | 自走用 | 軽8/NA-L8(8.9㎏/日進医療器) |
KF22-40SB(9.6㎏/カワムラサイクル) | ||
USL-1B(10.0㎏/松永製作所) | ||
M-43RK(10.7㎏/ミキMade in Japan) | ||
介助用 | 軽7/NAH-L7(7.8㎏/日進医療器) | |
USL-2B(8.5㎏/松永製作所) | ||
KF16-40SB(8.9㎏/カワムラサイクル) | ||
MC-43RK(9.5㎏/ミキMade in Japan) | ||
標準型の 低床タイプ |
自走用 | BAL-0S(11.6㎏/ミキ) |
MW-SL5B(12.6㎏/松永製作所) | ||
BAL-1S(12.7㎏/ミキ) | ||
介助用 | SA-211(11.3㎏/松永製作所) | |
MW-SL6B(11.8㎏/松永製作所) | ||
SA-211B(12.3㎏/松永製作所) | ||
肘掛け/ 脚部可動タイプ |
自走用 | 軽8W/NA-L8W(12㎏/日進医療器) |
MW-SL31B(12.2㎏/松永製作所) | 介助用 | 軽7W/NAH-L7W(9.7㎏/日進医療器) |
MW-SL41B(11.1㎏/松永製作所) |
||
リクライニング 車椅子 |
※リクライニング車は機能が様々なため、一概に重い軽いが計れません。 |
標準的な全幅の目安 | |
---|---|
自走用 | 64cm |
介助用 | 60cm |
6輪車椅子は室内用です。
狭い廊下の角など曲がりにくかった所でもスムーズに移動出来ます。
また、6輪車の低床タイプは室内で足こぎされる方に大変お勧めです。
6輪車
狭いコーナーでも幅65~75cm以上あれば
曲がれます
足こぎをしてるところ
一般の車椅子と比べると、あくまでも簡易用なので、乗り心地は劣りますが、コンパクトで持ち運びがしやすいので、旅行先などでのちょっとした移動に大変便利です。 機種によっては持ち運びに大変便利な専用収納バッグがあるものもございます
カワムラサイクル社と、日進医療器社の車椅子には、新車購入時に、シート色と、フレームカラーを有料でカスタマイズすることが出来ます。
自分だけの1台を制作することが可能です。
また、カワムラサイクル社では「2週間オーダーシステム」があり、座幅26cm~48cmまで指定が出来、シート色や、フレーム色、他、自分好みにオーダー出来る人気の簡易オーダーメイド車椅子もございます。
販売価格で10万~15万位ですので、オーダーメイドとしてはとても安く、納期もとても早く、注文も簡単です。
また、既製品にない座幅の小さいサイズのオーダーも可能なので、子供用としても人気があります。
(※シートカラー10,000円~/フレーム塗装20,000円~/車椅子2週間オーダーなどの詳細は車椅子ナビへお問合せ下さい。)